2011年11月4日金曜日
『人生、ここにあり!』鑑賞。
原題;Si può fare
2008年10月31日 イタリア公開。
2011年7月23日 日本公開。
会う人、会う人、全ての人にお勧めしたい。
そんな映画は
この『人生、ここにあり!』が初めてです。
劇場的な展開や音楽に煽られてこぼれる「涙」ではなく
魂を根底から揺さぶられ、溢れ出す「涙」。
それがこの映画が私にもたらした「涙」の数々です。
涙って、魂が美しいものに触れた時にも流れるのですね。
涙って、魂が悦びに打ち震えた時にも流れるのですね。
1時間51分の間
私の頬をとめどなく伝う涙は、あらゆる涙でありました。
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人間は生きる喜び、生きる希望があるからこそ
二本足ですっくと立っていることが出来る。前を見据えて、歩いていくことが出来る。
シンプルだけれど人生において最も根幹的なこと。
そのことを、この映画は私の理性のみならず、本能にまで訴えかけて来る映画です。
魂の奥底まで揺さぶられた映画は、この映画が初めてです。
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生きる喜び、希望を剥奪された
言いかえれば生きる「権利」をもぎ取られた、精神病疾患の人々が
最初は、外部から「生きる権利」を与えられ
しかしながら、ある「事件」をさかいに、自ら生きる「権利」を求めて立ち上がる。
受動から能動へ。
そう、いかなる人間であれ変われるのだ!!
変わる権利があるのだ!!
上映後、私の胸の内には
幾多の『嵐』にも耐えうる『温かく、そして丈夫な炎』が宿っていました。
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特筆すべきなのが、役者陣の真に迫る演技。
この映画の中で、彼らは間違いなく彼らであり
ネッロは間違いなくネッロであり、ジージョもルカも間違いなく、ジージョであり、ルカでありました。
何十年もの歳月を生きて来た彼らでありました。
これほどリアルな虚構を観た事はありません。
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迫真の虚構に裏打ちされた、胸を打つ強い強いメッセージ。
元気な時にもそうでない時でも
この映画が「何か」をもたらしてくれるはず。