2012年1月16日月曜日
新年明けまして『ART初め』
早いもので2012年の幕が明けて、今日で16日目。
月日は、我々の意思とは無関係に、刻々と時を刻んでいきます。
日々を丁寧に生きて行かねばと、心新たにする1月16日。
新年初めての日記は、『ART散策』から。
■細倉真弓 写真展 『KAZAN』
HITSPAPERのリポートを読んで、心鷲掴みにされた
細倉さんの写真展を観に、一路、恵比寿のG/P galleryへ。
視覚のみならず、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、など
ありとあらゆる感覚を発動させる写真の数々でした。
たとえば、この写真。
手には、乳牛の乳を搾った時の
しっとりとして柔らかく生温かな感触を覚え
郷愁の彼方の、母乳の甘い匂いが鼻をくすぐり
その滑らかな舌触りが舌をとろけさせる。
作品を前にして、私は一瞬にして、胎内回帰を体験したのです。
そして、たとえば、この写真。
「晒しよし飴」。
まるでガラスの結晶のような薄い飴のお菓子。
口に含むと、雪のようにホロリと溶け崩れる。
あの繊細な舌触りが、舌の上にハラハラと振って来ます。
刹那で儚い、一瞬の美しさ。
それを味覚にまで訴えてくる作品。
細倉氏の写真は、唯一無二の存在だと思います。
ギャラリーの方によれば
2月の上旬に写真集が刊行されるとのこと。
一般の書店でも流通するとのことなので、とても楽しみです。
***
代官山にある「大人のための文化の牙城」がキーワードの蔦谷書店。
せっかくなので帰り道、こちらにも寄って帰ろうと思っていたところ
幸運なる偶然で出会えた個展がこちら。
■ノリ・モリモト 展 『森に魅せられて~バーモントの自然と生きる』
樹木から切り出され、隅々まで彫刻を施された
15センチ四方の作品群。
人の手によって「自然」とは別のものへと生まれ変わったにも関わらず
作品の数々が私に喚起させたのは
まごうことなき『自然』。
青き樹木が生い茂り無数の生命を育む
あの『自然』。
人工的に生み出された「小さな造形物」に
「雄大なる自然の息吹」を見出させるという
相反する魅力を内在させた作品の数々に囲まれ
深い森の中で佇んでいるような、そんな錯覚を覚えました。
***
漫然と生きていると
日々出会う、沢山の「対象物」からのメッセージを受信できなくなると、身をもって実感する毎日。
今年は何とか時間を見つけては
自分の「アンテナ」を磨くためにも、様々なモノに触れ、味わっていきたいと思います。