2012年6月24日日曜日

Michael Fassbender in 『ブラッド・クリーク』鑑賞。


この睫毛と塩で、1カ月は生きられる。


Michael Fassbender出演作。
原題;Town Creek (previously known as Creek and Town Creek)
2009年9月18日 アメリカ公開。
2011年12月21日 日本版DVD発売(DVDスルー)。


マイケル・ファスベンダーが脱皮しまくります。

ツッコミどころ満載で、やったら面白かったので、感想が長~文です。
ご了承くださいませ。


ルーンストーン
第二次世界大戦のさなか。オカルトに傾倒したヒトラーは、黒魔術によって世界征服を企む。アメリカ全土に散らばるルーンストーン(古代ヴァイキングの遺物)を用いて、不死を手に入れ、無敵の支配民族となろうとしていたのだ。






時は1936年。

セクース
ドイツからアメリカに移住してきた一家のもとに、『北アメリカのドイツ遺産を研究する団体』から一通の手紙が届く。派遣する「歴史学者」の調査中、宿を提供してほしいと。見返りとして多額の謝礼を支払うという『団体』に、依頼を快諾する一家。ココで、くだんの「歴史学者」こと、ファシー殿がご到着。モノクロの景色に佇むファシー殿。いでたちは黒のロングコートに中折れ帽。巻きタバコをくゆらすファシー殿。早くもエクスタシー・マシーン始動です。やったらモノクロも似合うファシー殿。古典的な風貌の美男子なのかしら。




エロース
持参した先祖の骨を、そっと手に取るファシー殿。ほっそりとした手の甲に浮き出る静脈。そして小指から手の側面にかけて曲線美たるや。おーまいがー。

※ファシー殿にとっては、のちのち「弁慶の泣き所」となる先祖の骨。
なんで、そないなもん持参したのか、ワタクシの脳では理解ができませんでした。(直感系のヒアリング力な上に、ドイツ語なまりの英語。おまけに日本版DVDには日本語字幕だけで英語字幕がついとらん涙。もう訳わからん涙。)



ちょびヒゲデース
到着するや否や、ルーンストーンの所在を家長にお尋ねの、「歴史学者」ファシー殿。そして、おっとり刀に、一家の敷地内にあるルーンストーンの元へ向かいます。そこには一家の娘がおりました。鳩の亡骸を前に涙す娘。ファシー殿は娘から亡骸を受け取ると、蘇生またの名をゾンビ化します。←貴殿、歴史学者じゃないよねぇ。そうです、彼はナチスが派遣した「オカルト研究の工作員」だったのでございます。まずは娘を手玉に取ろうとしたんでしょうね。んが、まだまだ魔力が足りないファシー殿は、可哀想なことに、黒魔術の使用で鼻血が出ちゃいます。タラタラタラタラ。鼻血が「チャップリンのちょびヒゲ」状態なのに、こちとら笑っちゃうどころか昇天。えぇ。吐血や鼻血などなど、美男子の出血全般に弱いワタクシでございます。



子供もマイール
鼻血のついた(!)指で、少女の滑らかな頬を、すぅっと撫でるファシー殿。もう息できひん。












時は流れて現代。

『落下の王国』の霊者
救急救命士のEvanは、もうろくした父に、イラク戦争の英雄であり、父の誇りである兄Victorが突然行方不明になったのは、「ひとえにお前のせいだ」と激しく責め立てられます。(あれ、弟に見覚えが。『インモータルズ-神々の戦い-』のHenry Cavillではございませんか)弟自身もまた、兄の人生と引き換えに、生き続けてしまっていると自分を呪っております。夜中、自責の念から悪夢にうなされる弟。そこに兄貴Victorが『落下の王国』の霊者状態で帰還。「ありったけの武器集めて、俺と一緒に来い!理由は後だ!!」と有無を言わせず、弟を連行。兄貴の失踪に責任を感じている弟は、当然従います。ずっと監禁されていた模様の兄貴。監禁地帯に近づくと「もう後戻りはできねーぞ。どうする!?!?」って。アータ、どうするって、そりゃ行くよ弟は。だって貴方に責任感じてるもの。ここまで連行しといて、よう言わんわと突っ込みたくなる。否、突っ込んだね、いと激しく。



再び1936年。

口元が・・・
ファシー殿の黒魔術を目の当たりにして、娘は彼の正体に感づきます。娘の訴えに、一家もファシー殿の「真の目論み」に気付きます。が、時すでに遅し。一家は彼を招き入れた責務として、ファシー殿が持参した魔術書を盗むと、そこに書かれていたスペルで、この悪魔ファシーを家の敷地内に封じ込めるのです。可哀想にファシー殿は、それ以来、この家から身動きがとれなくなりました。





栄養補給中。
が、ファシー殿も負けちゃいないぜ。魔力を強化すると、自分を封印した一家に「不老長寿」の魔術をかけ、黒魔術を完成させるための、儀式の生贄に利用します。夜な夜な生贄の生き血をすすり、魔力を増強するファシー殿。同じ人間の血だと、不都合でも生じるんでしょうか。その後は、一家が生け捕って来た人間の血をすすっております。兄貴も、その「網」に引っ掛かっちゃった一人だったんですねぇ。

※悪魔なファシー殿・取扱説明書
①死人の血は飲めません。
②先祖、血縁者、および自分の血は毒になります。



再び現代。

暫くは、『エルム街』に変身前の伊達ファシー殿をお楽しみください。
タバコをはさむ、その指も含めて麗しい。
兄貴は自分をずっと監禁してきた一家に、怒り心頭に発するハッスル。一家襲撃の理由をろくに説明もせんと、「殺すのじゃー」と弟に命令。訳わかりません弟。でも、兄貴が深手を負わせた一家の長兄が自分を襲撃して来たので、やむなく発砲。護身のためとは言え、救命士なのに、人サマのお命奪うハメになっちゃった弟。「かわいそうに…」と思ったも束の間、長兄、生きてたー!流石は、ファシー殿がかけた不老長寿の術。きっと延命率もUPさせてるんでしょう。





その眼差し!
ひたすらテンションの高い兄貴。一家の女子供にも一切容赦なしです。もう病的なくらい。長い監禁生活が彼を変えちゃったのかしら。もともとかしら。まぁどちらでも宜しくってよ。

しかも猪突猛進な兄貴が、やみくもに動くもんだから、ことがドンドンややこしくなってます。劣勢の状態を加速させる兄貴。

嗚呼やっとこさ、現代のファシー殿がご登場。41分43秒。
ギャ!包帯ぐるぐる巻きでございます。

奇跡の中折れ帽。
魔力がUPしてるファシー殿は、死んだ人間やら動物をゾンビ化して操り、家を襲撃させます。亡骸を撫でるファシー殿のお手手にエクスタシー。呪文を唱えるファシー殿の囁き声に、うっ、心臓が痛い。。『救心』所望。

なぜ自ら動かないのか。「ラスボスはちょっとやそっとじゃ動かねぇぜ。」というわけではなく、家じゅうの、あらゆる侵入経路に書かれたスペルで、ファシー殿は、一家の住まう家屋から閉め出しを食らってるんです。だからゾンビが代行業。(封印されるは、閉め出されるは。もう「お友達はゾンビだけなの」状態のファシー殿。)


コート、キマリスギ。
ただ、黒魔術もどうやら万能ではないようで、悪の化身と恐れられるファシー殿も、移動手段は基本的に「足」です。「歩く」もしくは「走る」。しかも今宵は兄弟のせいで、けっこうな長距離を徒競走。お蔭で息切れちゃって…もう何かと可哀想。

兄貴は「自力で逃げたぜ。」と勘違いしているようですが、実はファシー殿が「わざと」逃がしたんです。「こやつなら報復に戻るだろう」と確信して。一家を襲撃してくれれば、スペルも破壊され、封印も解けて、はれて自由の身ですからね。

…って「ん?」。

ゾンビ操れるなら、そもそも兄貴を利用せずとも、一家襲撃して封印解除も可能じゃない?

…という疑問は抱いてはならんのでしょう。

気を取り直して。
月食の日に黒魔術の儀式が完成するとのことなので、逆算して兄貴を逃がしたのね。流石はファシー殿。グッジョブ。

そんなことなど露知らず、月食の当日に一家に乗り込み、「俺の人生奪いやがって!この一家。ぶっ殺す!!」と家を破壊し、一家の主も長兄も殺す兄貴。血気盛んというか、思慮に欠けるというか。しかも、単身で乗り込むならまだしも、弟も巻き添えにしてますから。もう自己チュー。

とは言え、オツムがエンプティーと言う訳ではないので、兄貴、一家から事情を聞き出すと、怒りの矛先をファシー殿にロックオン。あれやこれやと画策します。

後釜の血で滋養強壮。
その最中、兄貴の後釜の「生贄」が、ファシー殿に逆襲を試みます。でも、お強いファシー殿は、あっさりと返り討ちを喰らわします。そして生贄の生き血を大量にすすると、第一の脱皮。
包帯の中から出てきましたるは『エルム街の悪夢』のFreddyを足すことの『シン・シティ』のYellow Bastard風味。中々にアグリーなお顔立ちです。パッと見は、ファシー殿の面影ZERO。特徴的な睫毛と瞼で、何とか識別。





特徴的なフッサフサの睫毛および瞼。
その後、ファシー殿は、ノミと金づちで、バイマイセルフに額に第三の眼をこじ開けます。そう、黒魔術の完成は、第三の眼を開眼させることなのです。ここで『エルム街』ファシー殿が、義歯からファシー殿の生歯にマイナーチェンジ。大好きなファシー殿の歯が降臨です。おめでとう歯フェチの私。ありがとう歯フェチの私。

一方、一家からファシー殿の「弁慶の泣き所」を教えられた兄貴。弟に、その必殺兵器(例の先祖の骨)を取りに行かせるため、自らを餌にファシー殿をおびき寄せます。うまく逃げおおせるおつもりだったのでしょうが、そうは問屋が卸さない。「乗馬の兄貴」vs.「走るファシー殿」の戦いは、地の利を得るファシーに軍配。先回りしたファシー殿のお姿に、驚いた馬が急停止。兄貴は落馬で負傷。しかも、無意識とはいえ、せっかくオデコに血で書いてたスペルをこすっちゃったから、さぁ大変。ファシー殿がドンドン接近して来ます。

アグリーだけどエロース。
身動きとれぬ兄貴を小突くファシー殿。「ん?」って言い方および小突き方が、まことに可愛らしい。見た目、『エルム街』だけど。

出血多量の兄貴のお蔭で、ファスは生き血を楽々GET。第二の脱皮に入ります。お肌はヌルツルの蒼白モード。そして、先ほどDIYでこじ開けた第三の目が白眼っております。だいぶ原型に近づいてまいりました。
とは言え、まだまだグロテスクではございます。


が、アタクシ、そんな、白眼るファシー殿の瞬き、および「チロチロと蛇のように動かす真っ赤な舌」と「蒼白の御顔」のコントラストに、完全に悩殺されました。流石は『オペラ座の怪人』のJoel Schumacher監督。醜悪にも美を見出す映像魔術師ですね。

これで、もう一度、生き血をすすれば、第三の眼が開眼。完成体まで、あと一歩。頑張れファシー殿!

弟にセマール。
と、そこに絶妙のタイミングで「俺の血を啜りにコイヤー!」と「高田延彦」もとい弟。納屋で鎖に繋がれ、刃物で切られた背中を流血させる高田。背後から忍び寄るファシー殿が、まるで蛇のようで、もうエクスタシーMAX。高田の血をすするファシー殿。苦痛に顔歪めてるというよりも、感じちゃってると言った方が正しいかもしれない高田。
ですが高田、むざむざ身体を捧げた訳ではございませんでした。背中の切り口に、先祖の骨を粉砕し、塗りこんでいたのです。毒入りじゃー!!高田の肩に吐血のファシー殿。吐き出す血の量、タイミング、スピード、位置と、もう絶妙のあんばいです。「いい仕事してますね。」

一方、弟がもう心配でしようがない兄貴。負傷した身体を引きずり、納屋へと向かいます。行く手には有刺鉄線が!ここで兄貴「なんということでしょう。」、有刺鉄線を素手で引きちぎります。もはや「大仁田厚」越え。大仁田は、毒がまわって、すっかり弱っている、ボロボロのファシー殿の首に、有刺鉄線を巻き付けると、締めあげて斬首いたしました。

ちょと待てコラー!後もう一歩だったのに。完成体、見たかったのに。ご臨終ですファシー殿。いやん涙。

私としては、もうここで「ジ・エンド」なのですが、まだまだ映画は続きます。

ファシー殿の死により、呪縛から解き放たれた一家は、急速に老化そして死亡。
娘の遺言によれば、アメリカ全土の計9ヶ所にルーンストーンが散在しており、ルーンストーンが発掘された農家には、ファシー殿をふくめ、9人の工作員が派遣されたとのこと。散在する9ヶ所のルーンストーンを線でつなぐと、ナチスのハーケンクロイツ(逆鉤十字)に。弟が撲滅の旅に出ることを匂わせ、映画は終わります。

***

クレジットに従えば、兄貴が主役ですが、本編を観る限り、実質の主役はファシー殿と弟じゃないかしら。

***

今や、その高い演技力と色香を、世界レベルに知らしめ、超売れっ子のミスター伊達ファスベンダー。そういう意味では、本作は非常に貴重な作品でしょう。もう二度と『エルム街』なファシー殿は拝めないでしょうから。
ジャンルはホラーなので、本来は震えあがって鑑賞せなアカンのですが、もう兄貴がコメディアンにしか見えず、終始クククク笑って鑑賞してしまいましたゴメン。
そして腐っても鯛。フレディでも美エロース。やっぱりファシー殿は、何やってもセクシーなのでした。眼福。

最後は、ミスター伊達ファスベンダーの、セクースでエロースなGIFでしめくくり。




貴方の巻きタバコになりたい。


















チラリと横目で見る眼差しにキュン。火の点け方がサマになりすぎ♪


















ちょっと立ってる小指がエレガント。


















これは・・・アカンて。