2013年2月4日月曜日
鑑賞MOVIE ユルユル備忘録【11-12月編】
♪わたしの横には あなた あなた あなたが居て欲しい~
小坂明子嬢の名曲『あなた』を絶唱したい、そんな年の瀬で御座いました。
『リンカーン/秘密の書』
予告編が最高潮な作品。予告編以上のモノを期待して観に行ったが行けなかった。有史以前から生き永らえて来たのであろうラスボスが、余りにお粗末で、たかだか数十年生きてきただけの人間の計略にアッサリハマって、おっちんじもうて、座席からズリ落ちたいくらい拍子抜け。嗚呼どなたか~ラスボス君に「あきらめんなよ!by松岡修造」を注入したってください。こんなんラスボスちゃうよ涙。濃ゆいDominic CooperさんのVAMPIREっぷりが、思いの外セクシーだったのは収穫。彼の吸血行為を鑑賞するために映画館に行ったんかな私。
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『チャットルーム』(DVDレンタル)
ネットの世界の表現方法が中々に興味深い。「現実世界」は色褪せたトーンであるに対し、「ネット世界」が色鮮やかな世界感であるのは、主人公らにとって、ネット世界が「リアル」であることの証なのだろう。主人公は、ある「リアル」が引き金となって、自ら死を選ぶ。ただ、彼を死へと駆り立てた「リアル」が、まことの「リアル」言い換えれば「真実」であるかは謎だ。何かに染まり切った眼を通してみると「リアル」には幾重にもフィルターが掛かり、「真実」はねじ曲げられてしまうからである。ただし、本作の主張が、ネットとは人間を洗脳し、「真実」をねじ曲げてしまう「悪の権化」という向きにあると考えるのは尚早だ。ヒトの温もりを知らぬ人間の多くは、「真実」を見定める「眼」を失ってしまいがちだ。家族愛に飢え、孤独に蝕まれた主人公もまた然りだったのではなかろうか。つまり、「ネット」という装置を借りて、ヒトとヒトとの生身の繋がりの重要性を説いているのが、本作であると考える。主人公の生命を現世に繋いでくれた、唯一のザイルが「ネット」であり、その一方で、主人公を狂わせたのもまた「ネット」であったとは、何たる悲劇。深淵から引っ張り上げてくれる人に出会えていたなら、主人公は、あのような末路を迎える事はなかっただろう。
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『ホワイトカラー Season2 Season3』(DVDレンタル)
シーズンを重ねるごとに、ますます面白いホワイトカラー。現実に疲弊している時は、軽妙洒脱なドラマに癒されたくなるので御座います。それにしても、まぁ相変わらずっちゅうより、年を重ねるごとに美貌と吸引力が増していくMattサマー。ほんとサマー殿下を拝見していると、心が洗われます。最近、サマ―を拝見する度に、お手手のシワとシワを合わせて合掌したい衝動に駆られます、いやマジ本気で。
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『アジャストメント』(DVDレンタル)
「人は定められた道を歩く。迷うのが怖いからだ。だが障害を克服して、自由意思を貫く人間もいる。人は命懸けで自由意思の大切さを知るのだ。議長(注:本作では「神」の意)が真に望むのは、人類が自ら運命を書く、そんな日が来ることだ。君には書ける。」最後に語られるこの言葉に、本作の全てが集約されている。問題なのが、このメッセージを体現すべき主人公が「自由意思を貫く、芯のある人間」でもなければ「自ら運命を書く、強い人間」でもなく、「『吊り橋効果』によって、いっときの激しい熱情と衝動に突き動かされた人間」にしか見えなかったところにある。かくして、せっかくの真に迫るメッセージに 「最後に取ってつけたような印象」を抱かざるを得なかったのが残念だ。
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『ウルフマン』(Blu-rayレンタル)
かなり残酷な描写だと散見していたが、本作においては適切な描写だったと思う。裁判に掛けられた主人公が、満月の力によって変身する一連のシーンは残虐であると同時に官能的ですらあった。Blu-rayには別エンディングも収録されていたが、公開版が最も納得のいく最後だと思う。
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『ヒア アフター』(DVDレンタル)
人はとどのつまり、たった独りきり。孤独な存在である。しかしながら、或る人にとっての「嫌忌」が、或る人にとっては「救済」となりえるからこそ、人は己の存在意義を噛みしめ、孤独と向き合いながらも、生きていくことができるのだろう。 全編を通して、傷を負った全ての人々に対する癒しが込められた作品だった。
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『エンジェル』(DVDレンタル)
心身ともに破滅の一途をたどる人間を、全身で表現してみせるファスベンダー殿。惨憺たるその人生は、目を覆いたくなるほどに痛々しい。でもその痛々しさが寧ろ麗し過ぎて、目を覆うどころか、目を皿のようにして見入ってしまうという逆転現象が勃発する、Fassyファン必見の作品。但し、作品そのものは、かなり好き嫌いの激しく分かれる内容でございました。
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『X-MEN :ファースト・ジェネレーション』(Blu-rayレンタル)
本編に関する感想はコチラに記したとおり。ココで声を大にして言いたいのが…Azazelは高杉 亘氏に似すぎである!否、寧ろ本人だ!(断じて御本人ではありません。念のため。)
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『赤ずきん』(Blu-rayレンタル)
映画会社側の思惑や予算によって、『トワイライト 初恋』では成し遂げられなかった未練を、Catherine Hardwicke監督は本作に託したのであろうか。鑑賞中、『トワイライト 初恋』を追体験しているような錯覚に何度も見舞われた。しかしながら、本作が『トワイライト』を超える出来栄えだったかと言えば、また別問題。名優Gary Oldmanや若手実力派のAmanda Seyfriedを配しながらも、哀しいかな、私の目には全てが「三文芝居」に映ってしまった。残念。
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『007 カジノ・ロワイヤル』(TV放映)
『007』慰めの報酬』(TV放映)
『007 スカイフォール』
最新作『007 スカイフォール』の鑑賞に併せ、前2作も観直す。『慰めの報酬』でCamille(ボンドガール)がBondに残した別れの言葉「貴方を自由にしてあげたい。でも自分の中に囚われている」。これは、最新作において、かなり重要なキーワードあった。永きにわたり「己の内に巣食う過去」の囚われ人であったBond。そんな彼が『スカイフォール』では自らの力で「過去」から脱出する。心身を絡め取っていた鎖から解き放たれた新生Bondが、次回作で、どう花開き、活躍するのか。楽しみに待ちたい。
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『SHAME』(DVDレンタル)
人間が、抱える闇。たとえば、心の奥底に隠蔽している忌まわしき過去であったり。或いは、後ろ暗い感情であったり。或いは、社会的に即刻、排斥されかねない思想であったり。たとえ周囲から、高潔と讃えられる人間であったとしても、闇を抱えぬ人間など、恐らく、この俗世には居ないだろう。ファスベンダー殿は、そういった「人間の闇」を、自身の身を削るようにして表現してみせる。だからこそ、彼の演技を観ていると、いつも胸をえぐられるような思いに駆られ、心震わせずにはいられなくなるのである。本作でも、ファスベンダー殿の類まれな表現力が遺憾なく発揮されていた。
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『アメイジング・スパイダーマン』(DVDレンタル)
「困難が人の運命を決める。どんな人間になるかを。お前は才能を授かった。それをどう使うかは考えろ。その結果、何が起きようと、私たちはお前の味方だ。」。叔父が語るこの言葉は、スパイダーマンシリーズを貫く根幹であり、Sam Raimi版、Marc Webb版ともども、スパイダーマンの心の拠り所であると同時に、強い戒めである。 強い正義感と信念のもと、我が身を犠牲にしても世界を護るスパイダーマン。その骨子は変わらぬが、Sam Raimi版と、Marc Webb版とでは、スパイダーマンの人物像が全く異なる。突如授けられた天賦の才能。Sam Raimi版では、これが世界の正義と良心を巨悪から救う「砦」と為ると同時に、スパイダーマン自身の正義と良心を切り裂く「刃」とも為った。Sam Raimi版スパイダーマンにとって、才能は「ギフト」であり、そして「艱難」であったのだ。その狭間で絶えず揺れ動くスパイダーマンの姿に、公開当時、私は人生観を根底から覆される程の衝撃と感銘を受けたものだ。 対し、リブートされたMarc Webb版スパイダーマンでは、天賦の才能は、あくまでも「ギフト」である。その才能が連鎖して、Sam Raimi版同様、スパイダーマンは大切な人を失ってしまうが、そこにSam Raimi版のような悲壮感は、ない。重い十字架を背負った人間の姿も、ない。 またSam Raimi版が光の裏に絶えず闇を共存させていたなら、Marc Webb版は、一点の曇りもなく、明るい。 どちらが良い悪いという話ではなく、スパイダーマンを素材に描こうとしたテーマが、それぞれに異なるゆえの結果なのであろう。 蝶のように舞い、忍者のように鮮やかなアクションを魅せるMarc Webb版は、目には楽しかったが、個人的にはSam Raimi版に軍配。
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『ドライヴ』(DVDレンタル)
いっときたりとも瞬きできぬほどに、息を詰めて見入った。こんなにも胸を締めつける作品が、いまだかつてあっただろうか。こんなにも祈りを捧げ続けずにはいられぬ作品が、いまだかつてあっただろうか。命に代えても「守るべき存在」が居る人全てに観てもらいたい作品だ。 そして、なんてたって、Ryan Goslingの笑み!心が笑み、そして顔が綻ぶまでの時差。ニューヨークと東京くらいの時差。内面が外面に表出するまでの、この「溜め」に痺れた。それがまた、実に澄み切った微笑みなんだよなぁ。くぅ。 話は逸れるが、26分17秒から背景に現れる河川敷。ココ、『TIME』でMattサマーが自決なすった川と非常に似てるんですけれども!!
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『ビーストリー』(DVDレンタル)
「問題は他人にどう見られるかではなく、自分がどう見るかだ」 Rotten Tomatoesの評価の低さに、さして期待していなかったのが功を奏したか。鑑賞後の感想としては、思ったよりも悪くはなかった。野獣に変えられてしまってからのKyleの振舞い(少々内股気味の座り方や、絶えず周囲を伺い、視線に怯えるさまや、中傷を恐れ、猫背気味に、逃げるように歩く様子など)や声音など、醜い姿になり果てたKyleの心情を体現していて、Alex Pettyferの演技は期待以上。外面や周囲の評価に固執することで、内面の痛切な叫び、慟哭、苦しみから眼を逸らし続けて来たKyleの心情を表せていると思う。俺様キャラだの何だの、ゴシップで騒がれることが多いが、いち役者としての正当な注目を集める日が、そう遠くないことを願いたい。 残念だったのが、脚本にうねりと起伏がとぼしいこと。そしてKyleが初めて心を許し、そして愛した女性Lindyの内面が今一つ描き切れていないこと。Lindyが外見で人を判断しない人間であると納得させるだけの材料が乏しいのである。野獣だけでなく、美女と野獣の双方を主人公に据えて、「二人の心の機微と成長のアンサンブル」のストーリーに仕立てたほうが、説得力がでたと思われる。
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『悪の教典』
清潔感溢れる青年から、男気溢れる熱血漢から、おぼこい坊やから、そして非情な殺人鬼まで。益々、演技の幅を広げる伊藤英明氏の、新たな一面を堪能。今度はどんな演技を魅せてくれるのだろう。今後の活躍が非常に楽しみである。
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『ホビット 思いがけない冒険』
三部作の一作目。原作どおりであれば、次回作あたりで、ホビット御一行をいたぶる、血も涙もないおとっちゃんが観られるはず!!ギャー歓喜!!PURE坊やは無論のこと、尊大で無慈悲で狡猾な人物も、実に味わい深く演じるおとっちゃん。また、残忍であればあるほど、その美貌に磨きがかかるんだから、コチトラ、もう溜まらん狂乱!!嗚呼ワシ、三部作を見届けるまでは、絶対に棺桶に足を突っ込むものか!!と誓った次第にございます。それくらい、ワタクシを興奮させてくれちゃった、一作目賞味2分の美貌おとっちゃんに乾杯。
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『危険なメソッド』
ファスベンダー殿の演技は言わずもがな、Viggo Mortensenの演技の振り幅には毎回驚かされる。否、そもそも、この方に「幅」という表現は不釣り合い。彼の演技にはそもそも、限界がないのです。どの作品をとっても、同一人物が演じているとは、到底思えませぬ。感嘆の一言に尽きる、素晴らしい役者さんです。
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『パーティーは終わった』(DVDレンタル)
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『トワイライト 初恋』(Blu-rayレンタル)
何だか無性に「眉毛を整えていた時代のRobert Pattinson」が観たくなってレンタル。彼の初登場シーンで、その立ち姿に息をのんだ日を、懐かしく思い出した。最終章の『ブレイキング・ドーン Part 2』でのCharlie宅で催されたクリスマスパーティのシーンでは、『トワイライト 初恋』時を彷彿とさすヘアスタイルも見られ、Robert Pattinsonは、少し長めの髪を、ワックスでラフに仕上げたようなヘアスタイルの方が、そのお顔立ちが更に際立つのではないかしら?と改めて思った次第。話は脱線いたしますが、我らがサマーもご参加なさったCelebrity Beach Bowl 2013でのドクターCarlisle、とんでもなく伊達です。動いてるトコをとらえた写真で、まるでポージングしたみたいにキマってるって、貴殿、どんだけ伊達やねん!コチラ、とくとご覧くださいませ。
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『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(TV放映)
二度目の鑑賞。主人公Willのみならず、彼の才能を見出したLambeau教授、主人公の頑なな心を解いていくMaguire教授、そして親友の将来を我がことのように案ずるChuckie。それぞれが背負う過去や、その胸中に、心の底から共感できるようになった自分に驚いた。とどのつまり、人間の心のヒダを増やすのは、舐めた辛酸の数にあるのかもしれない。言い換えれば、人を成長させる「糧」とは、喜びの享受よりも寧ろ、苦しみから這い上がった気概にあるのかもしれない。であるならば、私も多少は成長できたということだろうか。人生の節目で、本作を再び観返したいと思う。その時、私は一体、彼らから何を感じ、何を学び取れるであろうか。観返すほどに、新たな「啓示」をもたらしてくれる、そんな作品だ。
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というわけで2012年、鑑賞した映画本数:79本。
うち、おとっちゃん(Lee Pace)目的が7本。ミスター伊達ファスベンダー(Michael Fassbender)目的が12本。
キッチュ(Taylor Kitsch)目的が3本。サマー(Matt Bomer)目的が1本。
彼らが居て下さらなければ、乗り越えること、恐らく不可能であった2012年。
苦しみ痛む胸の内を優しくほぐし、癒し、励まし、五里霧中の私を導き、背中を押して下さった
そんな素晴らしき俳優の方々に、素晴らしき映画を通して出逢えた、この幸福に心からの感謝を。
2013年、素晴らしい映画、素晴らしい俳優の方々との益々の出会いを確信して。
投稿者
dita
ラベル:
『X-MEN :ファースト・ジェネレーション』,
Lee Pace,
Matt Bomer,
Michael Fassbender,
ドラマ(海外),
映画(海外),
備忘録