Michael Fassbender出演作。
原題;Jane Eyre
2011年3月11日 アメリカ公開。
2012年6月2日 日本公開。
自らの不遇に
涙とまらぬときこそ見てほしい
そんな一本。
【あらすじ】
早くして両親を失い、孤児院でつらい思いをしながら育ったジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)。
家庭教師の免許を獲得した彼女は、ソーンフィールド邸に住み込みながら働くことになる。
孤児院時代とは打って変わった充足した日々を送っていた彼女は、
それまで不在であったソーンフィールド邸の主人ロチェスター(マイケル・ファスベンダー)と出会う。
どこか暗くて冷たい雰囲気に包まれた彼と徐々に心を通わせるようになり、
恋に落ちてしまうジェーン。しかし、ロチェスターが抱えていた恐ろしい秘密を知ってしまう。
(CINEMA TODAYより)
幼い頃に両親を亡くし
引き取り先の叔母とその息子に、手酷く虐げられるJane。
叔母 |
預け入れられた寄宿学校でも、理不尽な扱いを被る。
しかしながらJaneは決して屈しない。
どんな困難が、苦難がふりかかろうとも
決して自らを憐れまない。
断じて「悲劇のヒロイン」という立場に安住しようとはせず
また、「悲劇のヒロイン」という甘美な響きに溺れようともせず。
決して自らを貶めることのないJane。
彼女は、いついかなるときも自らを卑しめないのだ。
雇い主であるRochesterを前にしても、決して相手を恐れない。媚びない。
いかなる権威も虐待も差別も
Janeの魂をひざまずかせ、服従させることなぞ出来やしないのである。
***
大きな障壁に人生を阻まれたとき
人はえてして自分に負けてしまいがちだ。
そして
「自分には幸せになる権利がある」ことを忘れてしまう。
否
「自分にはそもそも、幸せになる権利など、もうないのだ。」そう思いがちだ。
Janeは違う。
度かさなる不遇を前にしても
Janeは自らの幸せは、自らの手で掴み取れると確信している。
***
何もかもを見透かすような、知性と理性に溢れた強いまなざし。
ゆるぎない魂を宿す、真っ直ぐな瞳。
どのような外部の圧力にも屈しない精神を表すかのような
真一文字に結ばれたくちびる。
今にも折れてしまいそうなほどに、か細いJaneの身体には
強靭なる不屈の精神が秘められているのである。
***
Janeの生きざまを見ていると
たとい窮境に立たされようとも
たとい自らの尊厳を奪い去るような冷遇な扱いを受けようとも
誇りと自信を持ち続ける事の尊さを思い知らされる。
何事を決断するにおいても
相手のため、ではなく、自分のため、に。
運命の愛に、難攻不落の壁が立ち塞がったとき
Janeは自分のために、その愛から身を引く。
余命幾ばくもない叔母を前にして
Janeは叔母のためではなく、自らのために、叔母を許す。
何という強さ。
何という誇り高き精神。
Mia Wasikowska(ミア・ワシコウスカ)はJaneの精神を、全身全霊で表現してみせた。
***
かてて加えて
Rochesterを演じるMichael Fassbender(マイケル・ファスベンダー)の演技力たるや。
100年以上前の小説が原作とあってか
劇中の台詞は、現代の我々にしてみれば、聞き慣れた話し言葉とは程遠い。
しかしながらファスベンダーは
それら極めて文語体な台詞に、見事に命を宿らせた。
印象的だったのがRochesterの、この台詞。
As if I had a string, somewhere under my left ribs. Tightly knotted to a similar string in you. And if you were to leave, I'm afraid that cord of communion would snap. And I have a notion that I'd take to bleeding inwardly.
まるで一編の詩のような台詞。
なみの役者が演じたら、陳腐な場面になりかねない。
だがファスベンダーが演じると
たちまち、そこには
RochesterのJaneに対する、ほとばしるような熱情がリアルに溢れだすのである。
まっことスゴい役者さんでございます。
そしてそして忘れてならぬのがミスター ファスベンダーの色気の吸引力。
・・・ダイソン級です。
・・・ワタクシ、お恥ずかしいことに、まことに遅ればせながら
ファスベンダーのトリコになってしまった次第にございます。
・Lee Pace (通称 ; おとっちゃん) = ダダ漏れる色気
・Taylor Kitsch (通称 ; キッチュ) = 胸キュゥンな色気
・Matt Bomer (通称 ; サマー) = 美神に愛されし色気
※通称はあくまで、dita個人によるものです。悪しからず(笑)
ときまして
・Michael Fassbender (通称 ; ミスター伊達ファスベンダー。ファシー殿) = 中毒になる色気
でございましょうか。
シュとした鼻すじから
ふっくらとした唇およびプルリッとしたアゴにかけての「稜線」とか。
すべてを圧倒する眼光鋭い「まなざし」とか。
タマランちんども、とっちめられたいチン。
ふぅうイカンイカン、完全にアタマがファスってます。
***
人生の荒波にのまれている最中のアナタも
頭をファスられたいアナタも
映画館で『ジェーン・エア』、お楽しみくださいませ。
嗚呼~『SHAME-シェイム-』、映画館で観ときゃヨカッター涙。