2012年4月13日金曜日

Jensen Ackles in 『ブラッディ・バレンタイン3D』鑑賞。




Jensen Ackles主演作
原題;My Bloody Valentine 3D
2009年1月16日 アメリカ公開。
2009年2月14日 日本公開。


髪型は『SUPERNATURAL』のDeanのそれと同じながら

表情、立ち居振舞い、しぐさ、声音、口調など

どこをとってもDeanとは別人

Jensenの確かな演技力が冴えます。

以下、ネタバレを含みます。



【あらすじ】
バレインタインの日、炭鉱夫のトム(ジェンセン・アクレス)は
同僚5人を炭鉱に生き埋めにしてしまう大規模な事故を起こしてしまった。
悲劇から10年後、自らが引き起こした事故のトラウマに悩まされ街を出ていったトムが帰郷する。
そんなバレンタインの夜、炭鉱夫のスタイルでつるはしを持った殺人鬼が街を恐怖に陥れる。(CINEMA TODAYより)


惜しむらくは脚本。

映画の開始ほどなくして
殺人鬼がTomであることは容易に推察される訳で

殺人鬼の謎解きに
ストーリーの大半を費やした、この脚本は
話をいささか、散漫にさせるきらいがある。

殺人鬼は一体、だれなのか。
「あいつ」か、それとも「あいつ」なのか。

その疑念を植えつける対象
観客ではなく、Tom本人にする。

そうすることで
物語に厚みをもたらすことが出来たのではないか
そう考えるのです。

***

Tomの優しさ、思いやり、正義感など
「善の部分」を、積極的に観客に訴求する一方で

弱さ、もろさ、不安定さ
更には、疎外感、孤独感、絶望など
「陰の部分」も浮き彫りにする。


図らずも
自らが引き起こしてしまった大事故によって
複雑な二面性を持ってしまった、そんなTomの人物像を

物語の前半で、色濃く描写する。

その上で
Tom本人が、自らを殺人鬼と疑いたくなる「符号」
(たとえばアリバイ、殺害道具など)


物語の端々に散らす。



自分が殺人鬼とは、ゆめゆめ思わぬ「良心」「正義感」
彼を犯人探しへと駆り立てる

しかしながら
次々にわき起こる、自らへの拭いがたき疑念

「疑念」は「確信」へと変わっていく

次第に追い込まれるTom。



徐々に崩壊し、変貌していくさまを、カメラがつぶさに追う。

そして、訪れてしまう、真実。



そういった話の流れであれば
元来の「ホラー映画」としての要素に
「サイコサスペンス」の要素が加味され

Jensenの細密な演技力を
より際立たせる内容になったのではないかと思うのです。

続編をにおわせるラストですが…



Jensenなくして
この映画の続編はあり得んでせう。

***

『SUPERNATURAL』関連の記事をたどると
どうやら続行の可能性が色濃いようですね。

SPNファンとしては嬉しい限りだけれど
演技派Jensenを大スクリーンで堪能したい気持ちもあり。

長寿ドラマのファンの、悲しいサガで御座います(苦笑)。