まつ毛が密林状態のLeeたん。キレイやわぁ。 |
Lee Pace出演作。
原題;Possession
2010年3月9日 アメリカ版DVD発売(DVDスルー)。
2011年1月8日 日本公開。
たとい脚本が破綻ししていたとしても
今日も、とっちゃんぼうやは全力で、頑張る。
思いっきり振り切れて、とっちゃんぼうや目線で話、追います。
沸点の低いコRoman。直ぐ手が出ちゃう。 |
加重暴行罪の咎で
保護観察3年の処分を受け出所したRoman(Lee)。
そんな弟を、それでも温かく迎え入れる兄Ryan。
Romanは
彼を弁護してくれた弁護士にして、兄Ryanの妻でもあるJessに
密かに恋心を抱いています。
しかし、彼の素行を知るJessは、彼の存在自体を否定。
一つ屋根の下、Romanと暮らすことに耐えられないJessは
「彼が怖い」「信用できない」「彼の存在に耐えられない。」
とRyanに訴えます。
それを偶然にも立ち聞きしてしまった、Roman。
堪らず、家を飛び出します。
心配してRomanの後を追うRyan。
二人の運転する車は、不幸にも正面衝突事故を起こします。
画面右で |
生死の境をさまようRomanとRyan。
そんな中、昏睡状態からRomanが奇跡的に目を覚まします。
そして衝撃の一言。
髪型が、ちょとジーザスクライスト。 |
「僕はRyanだ。」
当初は、愛する夫の人生を奪い、その上、こんな茶番までするのかと
Ryan(身体はRoman)を断固拒否するJess。
しかしながら、二人しか知りえぬ秘密を語り
そして、事故前と変わらぬ献身的な愛をみせる、そんなRyanに
Jessは、徐々に信頼を寄せて行くのです。
そしてJessは、お腹にRyanとの子を授かります。
幸福の絶頂期。
そんなある日
Jessは、Ryanの秘密を知ってしまうのです。
今、目の前に居るのはRomanの身体に憑依したRyanではない。RyanのふりをしたRomanだと。。
(↑反転してお読みください。)
そして二人は…
(語るも無残な結末なので省略します涙。)
以下、ネタバレです。
なんと!なんとなんと!!後味の悪い結末なんだ。
…が最初の感想です。
ズブの素人だけど、ココはダメ出汁させて下さい。
この物語の主軸となるのは冒頭、Romanが語る、この言葉
「人生をやり直せるとしたら、他の誰かになりたい。」
ここに全て集約されている、そう思うのです。
だが、それまでの彼の素行が、それを許さない。
何をせずとも疑われる。信頼されず、愛されず。
愛する人からも拒絶される。
存在意義をことごとく否定された彼の人生が、図らずも、生死をさまよう大事故によってリセットされる。
彼はRyanを騙ることで本来、なりたかった自分に生まれ変わることが出来たのです。
***
昏睡状態から目覚めたばかりのRomanが、いまだ眠り続ける兄Ryanを見ながら、物思いにふけるシーンがあります。
恐らくRomanは誰に対しても、優しく、思いやりに溢れそして、誰からも愛され、何より、愛する人から愛される
そんな兄を、己の「本来なりたかった姿」に重ねていたのではないでしょうか。
だからこそ、その兄Ryanを前にして「他の誰かになる」そう宣誓していたとも推察されます。
誰よりも傷つきやすく、誰よりも繊細で、そして誰よりも愛を乞うていた。
それが、Romanの本質だと思います。
***
そう考えると
Jessが欲しいから、Jessの愛するRyanのふりをすることで彼女の心を懐柔せしめた
というラストのオチは、それまでの流れを全否定する、余りにも浅はかなエンディングです。
これでは、結局のところRomanは何だったのか、観客の心をいたずらに悶々とさせるばかりです。
***
また、RyanがJessにプレゼントしたネックレスのことや、RyanとJessしか知りえぬ秘密の数々。
これらを、いかにしてRomanが知り得たのか。
そこは「Jessに」ではなく「観客だけに」種明かしすべきです。
Romanの、まさに人生を賭けた、一世一代の嘘を、観客とRomanだけが共有することで
彼の切なくも、哀しく、切実なる思いを、より深く、観客の心に訴える事が出来ると思うのです。
***
脚本の粗さが、おばちゃんは本当に悲しい涙。
※因みにコチラ、米国版DVDに収録されているAlternate Ending ←クリックしてご覧ください。
本編の破綻度から言っても、イヤ言わなくても!断然コチラを結末として選択すべきだったと嘆きます。
本編の破綻度から言っても、イヤ言わなくても!断然コチラを結末として選択すべきだったと嘆きます。
そんな中、日常の何気ない動作で、ならずものなRomanと、Romanに憑依したRyanを
巧みに演じ分けた、とっちゃんぼうやは本当に凄い。
「どんな台本だろうと手ぇ抜かへんで」っちゅう、とっちゃんぼうやの役者魂、感じます。
続く…