2012年3月28日水曜日

Lee Pace in 『シャッフル2 エクスチェンジ』鑑賞。


まつ毛が密林状態のLeeたん。キレイやわぁ。


Lee Pace出演作。
原題;Possession
2010年3月9日 アメリカ版DVD発売(DVDスルー)。
2011年1月8日 日本公開。


たとい脚本が破綻ししていたとしても
今日も、とっちゃんぼうやは全力で、頑張る。


思いっきり振り切れて、とっちゃんぼうや目線で話、追います。

沸点の低いコRoman。直ぐ手が出ちゃう。


加重暴行罪の咎で
保護観察3年の処分を受け出所したRoman(Lee)

そんな弟を、それでも温かく迎え入れるRyan

Romanは
彼を弁護してくれた弁護士にして、兄Ryanの妻でもあるJessに
密かに恋心を抱いています。

しかし、彼の素行を知るJessは、彼の存在自体を否定

一つ屋根の下、Romanと暮らすことに耐えられないJessは

「彼が怖い」「信用できない」「彼の存在に耐えられない。」

とRyanに訴えます。

それを偶然にも立ち聞きしてしまった、Roman。

堪らず、家を飛び出します。

心配してRomanの後を追うRyan。

二人の運転する車は、不幸にも正面衝突事故を起こします。



画面右で腰ツイストして倒れているのがRoman。


生死の境をさまようRomanとRyan。

そんな中、昏睡状態からRomanが奇跡的に目を覚まします

そして衝撃の一言。


髪型が、ちょとジーザスクライスト。


「僕はRyanだ。」

当初は、愛する夫の人生を奪い、その上、こんな茶番までするのかと
Ryan(身体はRoman)を断固拒否するJess。

しかしながら、二人しか知りえぬ秘密を語り
そして、事故前と変わらぬ献身的な愛をみせる、そんなRyanに

Jessは、徐々に信頼を寄せて行くのです。

そしてJessは、お腹にRyanとの子を授かります。


幸福の絶頂期。


そんなある日
Jessは、Ryanの秘密を知ってしまうのです。

今、目の前に居るのはRomanの身体に憑依したRyanではない。RyanのふりをしたRomanだと。。

(↑反転してお読みください。)


そして二人は…
(語るも無残な結末なので省略します涙。)

以下、ネタバレです。



























なんと!なんとなんと!!後味の悪い結末なんだ。

…が最初の感想です。

ズブの素人だけど、ココはダメ出汁させて下さい。



この物語の主軸となるのは冒頭、Romanが語る、この言葉

「人生をやり直せるとしたら、他の誰かになりたい。」

ここに全て集約されている、そう思うのです。

だが、それまでの彼の素行が、それを許さない。

何をせずとも疑われる。信頼されず、愛されず。
愛する人からも拒絶される。

存在意義をことごとく否定された彼の人生が、図らずも、生死をさまよう大事故によってリセットされる。

彼はRyanを騙ることで本来、なりたかった自分に生まれ変わることが出来たのです。


***


昏睡状態から目覚めたばかりのRomanが、いまだ眠り続ける兄Ryanを見ながら、物思いにふけるシーンがあります。

恐らくRomanは誰に対しても、優しく、思いやりに溢れ
そして、誰からも愛され、何より、愛する人から愛される

そんな兄を、己の「本来なりたかった姿」に重ねていたのではないでしょうか。

だからこそ、その兄Ryanを前にして「他の誰かになる」そう宣誓していたとも推察されます。


誰よりも傷つきやすく、誰よりも繊細で、そして誰よりも愛を乞うていた。


それが、Romanの本質だと思います。


***


そう考えると


Jessが欲しいから、Jessの愛するRyanのふりをすることで彼女の心を懐柔せしめた


というラストのオチは、それまでの流れを全否定する、余りにも浅はかなエンディングです。


これでは、結局のところRomanは何だったのか、観客の心をいたずらに悶々とさせるばかりです。


***


また、RyanがJessにプレゼントしたネックレスのことや、RyanとJessしか知りえぬ秘密の数々。

これらを、いかにしてRomanが知り得たのか。

そこは「Jessに」ではなく「観客だけに」種明かしすべきです。

Romanの、まさに人生を賭けた、一世一代の嘘を、観客とRomanだけが共有することで

彼の切なくも、哀しく、切実なる思いを、より深く、観客の心に訴える事が出来ると思うのです。


***


脚本の粗さが、おばちゃんは本当に悲しい涙。

※因みにコチラ、米国版DVDに収録されているAlternate Ending ←クリックしてご覧ください。
本編の破綻度から言っても、イヤ言わなくても!断然コチラを結末として選択すべきだったと嘆きます。

そんな中、日常の何気ない動作で、ならずものなRomanと、Romanに憑依したRyanを
巧みに演じ分けた、とっちゃんぼうやは本当に凄い

「どんな台本だろうと手ぇ抜かへんで」っちゅう、とっちゃんぼうやの役者魂、感じます。


続く…